これでは、すべてのWindows開発者が訴訟の対象になってしまう
引き続き、一太郎の件に追っかけたいと思います。今回は、Office2002(OfficeXP)にもまったく同様の機能が用意されていることと、ヘルプモードがWindows標準の機能であり、Windowsの開発者であれば、誰もがヘルプモードを搭載したアプリケーションを作成できるという事実を確認したいと思います。その結果、今回の判決が有効な場合、企業から個人まで、あらゆるWindowsアプリケーションの開発者が訴訟の対象になりうる、ということを示したいと思います。
まず、手持ちのWindows版のWord2002で、今回、問題となっている一太郎のヘルプモードど同様のことを実現する操作を示します。以降の画面は、WindowsXP上で動作するWord2002をキャプチャしたものです。
▼ツールバー上で右クリックしてメニューを開き、[ユーザー設定]を選択します(メニューが縦に長いので、途中を省いています)。

▼[ユーザー設定]ダイアログが開いたら、[コマンド]タブに切り替え、左側の[分類]で[ウィンドウ/ヘルプ]を選択します。続けて、右側の[コマンド]で「ポップヒント」を表示し、ツールバーの割り付けたい位置までドラッグ&ドロップします。ボタンが割り付けられたら[閉じる]ボタンをクリックして[ユーザー設定]ダイアログを閉じます。

▼割り付けられた[ポップヒント]ボタンをクリックします。

▼マウスポインタに「?」マークが付いたら、調べたいアイコンをクリックします。

▼クリックしたアイコンの機能がポップアップ表示されます。

上記の操作は、Excel2002、PowerPoint2002、Outlook2002、Access2002もまったく同様に実行できます。ただし、Office製品の最新バージョンであるOffice2003の各アプリケーション(Word2003/Excel2003/PowerPoint2003……等々)では、ツールバーのユーザー設定はできるものの、割り付けられるボタンの一覧から「ポップヒント」のボタンは消えています。
以上から、少なくともOfficeの2002(XP)世代では、一太郎と同様の機能が搭載されていたことが分かると思います。異なるのは、ユーザーの設定が必要であるという点と、ボタンの絵柄、つまり、以下の違いです。
▼Office2002のヘルプモードボタン
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▼一太郎2004のヘルプモードボタン
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次に、ヘルプモードは、けっして一太郎の固有の機能ではないということを示します。次は、マイクロソフトが提供しているWindowsの開発者向けサイトで公開されているヘルプの作成情報です。
一般の方にはわかりにくい点だと思いますが、Windowsとは、ワープロや表計算ソフト、メールソフトなどが動作する土台のようなプログラムです。この土台をOS(オーエス)と呼び、ワープロや表計算ソフト、メールソフトなどは、このOSの上で動作するアプリケーションソフトです。アプリケーションソフトは、ただたんにOSの上に乗っかっているわけではなく、OSが提供するさまざまな機能を利用しながら動作しています。
たとえば、Windowsのアプリケーションソフトで印刷するとき、どんなソフトでも同じダイアログが出てきます。ファイルを読み込んだり保存するときもそうです。何か問題が起きたとき表示される警告メッセージのデザインも、どれもほぼ同じでしょう。なぜなら、これらはWindowsが提供する機能を利用して実現されているからです。どんなソフトでも、印刷やファイルの読込/保存を行います。そのため、Windowsでは、こうした処理を共通化し、いわばブロックのように簡単に取り付け/取り外しができる形態にしてプログラマに提供しているのです。そのおかげで、プログラマはゼロから印刷用のプログラムやファイルの読み書きのプログラムを書かなくてもよくなり、効率的にプログラムを作成できるようになるのです。
ヘルプモードも、こうしたWindowsが提供する機能の1つだと考えられます。アプリケーションを作るプログラマは、自分が作っているアプリケーションにヘルプモードを搭載したいと思ったら、前述のようなページを見て、そこに書かれている手続きに沿って作業することで、自分のアプリケーションにヘルプモードを付けられるのです。
ですから、もしも今回の件のように、「アイコン」をクリックしてヘルプモードが発動するようなアプリケーションを作ったら、企業も個人も、ジャストシステム同様に訴訟の対象になることになります。「アイコン」ではなく、ボタンやキー操作であれば問題ないのかもしれません。しかし、先のページを見る限り、
ボタンを使ったヘルプモードは、Windowsアプリケーションが搭載できる、ごく標準的な機能に思えます。あるいは、
ボタンであれば問題はなく、
だから問題なのでしょうか。だとしたら、プログラマがちょっとした親切心で、ボタンにマウスの絵を描き加えた途端、訴訟の対象になるということになり、これは果たして特許の問題なのだろうか、という気にさえなります。
※本記事は、井上健語(MAKOTO3)の個人的な意見・感想です。ジャムハウス、ジャストシステムとは一切関係ありません。










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